XF500mmF5.6 R LM OIS WR野生動物の写真に意味を見出す
写真は、私が今を生きることができる理由の数少ない一つです。カメラを持って自然の中に出かけると、その世界に浸れます。頭がクリアになり、この瞬間の中に私は生きていて、世界と深いところで繋がっているのだと感じることができます。
私は働き詰めの生活から解放されていたパンデミックの時に、野生動物の写真を撮り始めました。周りの景色が違ったように見えはじめ、都市の中にいても、時間があれば野生動物が周りにいるのだと気づきました。
富士フイルムが新しいXF500mmF5.6 R LM OIS WRレンズを紹介してきたとき、その特徴に感動しました。わずか1335gのサイズは、ハイキングに持ち運ぶことができ、また手持ちで撮影することができるという私の最優先事項を満たしていました。これが届いた時には、そのデザインにも驚きました。他の望遠レンズは重くて扱いにくいと感じることがよくありますが、このレンズはすごく軽かったです。まさにフィールドで使用する写真家を念頭に置いて作られていると感じました。野外で何時間も過ごすと、重量はすごく大事な要素だと感じる私たちを理解しています。
X-H2Sと組み合わせてレンズをテストするために1ヶ月いただきました。カウントダウンが始まると、たった1ヶ月で望遠レンズをテストすることは、野生動物の写真においては難しいチャレンジです。良い写真を撮影するには忍耐力とタイミングが重要であり、長い観察期間が必要な場合もあります。数日から数週間にわたることもよくあります。限られた時間内では、色々な種類の動物との出会いと良い天気と日照条件に当たる機会が制限されてしまいます。

ケベック州タドゥサックへの旅行は、まさにその条件が良い例でした。アルバータ州の森林火災から出る濃い煙によって、海洋や沿岸の野生生物をクリアに撮影することはほとんど不可能でした。これは、一番遠くて美しい場所にさえ影響を及ぼしてしまう広まる環境問題を思い知らせる出来事でした。
しかし、ニューファンドランドへの旅行は全く逆でした。さまざまな条件でレンズを適切にテストすることができました。以下は、私が印象的だと感じた点です。
コンパクトなデザイン
携帯性、耐久性、迅速な反応が成功の鍵となる野生動物写真では、軽量な機材が非常に重要です。これまで使用した他の望遠レンズでは、ハイキングやカヤックに行くことができませんでした。それらは重すぎて扱いにくかったからです。しかし、XF500mmF5.6 R LM OIS WRは私のいつものカメラバッグに簡単に収まり、背中を痛めることなくアクティビティを行うことができました。
私はレンズを借りている期間は全体を通して手持ちで撮影し、数時間何も問題なく三脚座を持ってレンズを運んでいました。私は自由に移動して角度と構図を調整するのが好きなので、三脚はほとんど使用しません。完璧な瞬間を撮るには早く動かないと見逃してしまう可能性があるからです。また、レンズの手ブレ補正には本当に驚きました。500mmの焦点距離でも、手持ちで簡単に撮影でき、ブレなくシャープな結果を得ることができました。

単焦点レンズ:私のお気に入り
500mmのような単焦点レンズは、焦点距離が固定されているため、レンズ内の光学部品が少なくなります。これにより、優れた鮮明度とクリアさが実現され、対象の細部を捉えられます。
F5.6の絞りは、美しいボケ、そして被写体と背景の綺麗な分離を可能にします。さらに、低光条件での性能が向上し、ISOをあまり上げずに高速のシャッタースピードを維持できるようになりました。夜明けや夕暮れ、野生生物が最も活動的な時間帯にも画質をあまり犠牲にすることなく写真を撮ることができました。
単焦点は設計がシンプルなので、より高速かつ正確なオートフォーカスが可能になります。これは、野生動物を撮るために重要で、被写体がフレーム外に移動する前に素早くフォーカスを合わせる必要があります。X-H2SのAI鳥検出/動物検出と組み合わせることで、正しくフォーカスを合わせることは、動物の目を自動的に検出することに大きく役立ちました。
超望遠、超広範囲
野生生物の写真を撮影する際、動物への不必要な音を最小限に抑えることは重要です。500mmの焦点距離(35mmセンサーでは742mm相当)により、実際に物理的に近づくことなく被写体に近づくことができました。また、過去に経験したことがない正確さで、遠くの高速移動する鳥を捉えることも可能でした。

提唱のためのツール
私たち写真家には、人を感動させ、変化をもたらす瞬間を捉えるという特殊な能力があります。一つ一つの写真は声明であり、生物とその生息地を保護する理由についての視覚的な論拠になります。
私はレンズを通じて、人間の活動により脅威にさらされている生態系の注意喚起をすることを目指しています。ある意味写真は、単なる情熱を超えて生物保護のためのツールとなっています。



写真の瞑想的な力
野生生物の写真を撮る行為は、あらゆる面で私にとってマインドフルネスの形です。これには忍耐力、集中力、そして環境との深い結びつきが必要です。
最後に、写真はただ瞬間を捉えるだけではありません。それは、その瞬間に存在するということです。美の追求、冒険のスリル、そして何らかの方法で何か大きなものに貢献しているという満足感についてのものなのです。
