NOSTALGIC Neg.

2024.04.29
Anthony Thorne

アメリカン・ニューカラーと呼ばれる写真家たちがいて、それまでモノクロが当たり前だった作家たちの中からカラー作品を撮ろうとする動きが生まれました。失われてゆく時代への複雑な心境を写真に捉えようとします。今でも根強いファンが多く、ファッションや映画の分野にまで影響を与え続けてきました。そんなアメリカン・ニューカラーの時代と、作家たちのレンズの先にあった”過ぎ去った時間への憧れ”から生まれたルックがNOSTALGIC Neg.です。
シャドウは青かグリーンに沈むのが一般的な特性ですが、アンバー基調で温かみがあるため懐かしさを感じさせます。アンバーは色に与える影響が強いためホワイトバランスだけで調整すると不自然になりやすい傾向がありますが、色の転がりがないのも特徴です。
まなざしに近い標準画角でストリートフォトを撮ると魅力がわかりやすく、逆光と順光、都市と田舎、現在と過去のように、相反するものが共存する場所で効果を発揮します。シャドウ部に人物を置いても肌のトーンが沈まず、リッチな雰囲気を与えるので、シチュエーションを活かしたポートレートにもよく合います。