パリを散策 – 新しい富士フイルム GFX100RFとの一日
富士フイルム GFX100RFを初めて手にしたとき、驚きました。中判カメラとは思えないほど軽くてコンパクト。
このカメラを使ったプロジェクトで、その機能を試すことができました。ビデオグラファーとして同行してくれた同僚のデビッド・クラムマーさんと共に、パリを訪れました。2024年の夏季オリンピックの開幕式で華やかに演出されたセーヌ川沿いを歩きたいと思いました。川の両岸の日常風景を観察しながら、ぶらぶらと散策することにしました。GFX100RFは、このプロジェクトにぴったりのカメラだと感じました。軽くて扱いやすく、外国の街での驚きや冒険にも応えてくれます。

テストに選んだ時期は1年で最も暗い12月。寒くて湿度の高い曇り空でした。好条件でGFX100RFを試す気はありませんでした。川沿いを下流に向かって歩き続け、花市でパリ近郊の小さな村に住む中世スタイルの服を好むファニーさんに出会いました。帽子を被り、黒のマントを身にまとって蘭の花で囲まれているファニーさんの写真を撮りました。その後さらに川を下っていき、中州のシテ島に掛かるポンヌフ橋の階段が目に留まりました。海から川沿いを飛んできたカモメが旋回しており、まるで海を思わせる鳴き声を響かせていました。

横道に入ると、時が止まったかのようなレストランを見つけました。アーティストや作家たちが昼食を取っていました。「ここは50年間何も変わっていない」と一人の彫刻家が教えてくれました。「価格すら変わっていない」と満足げに言いました。ここでパリの伝統として知られるニシンとポテト、ホタテをいただきました。もちろん、写真も撮りました。ゲストやスタッフの写真です。ポテトの皮を剥き終え、赤ワインを楽しむジャン=リュックのような姿を収めました。

川沿いを歩き続けました。満潮の時間になり、セーヌ川の水が岸壁を越えて、埠頭は水浸しの状態でした。その後、エッフェル塔の近くでハウスボートが目に入りました。ここにも人が住んでおり、独身者も家族も共に生活しています。不安定な桟橋からボートのドアをノックしました。ジョフリーさんがドアを開けてくれ、中に入れてくれました。ジョフリーさんは写真家で、夕方に照明の灯ったエッフェル塔の前で観光客の写真を撮る方です。黄昏時、ジョフリーさんのボートで写真を撮りました。

一日中GFX100RFを持って歩き回りましたが、カメラの重さをほとんど感じませんでした。中判カメラでありながら、小型のコンパクトカメラと同じくらい軽量です。解像度は4倍で、高いダイナミックレンジを備えており、明るい部分と暗い部分のディテールを明瞭に写してくれます。
この小さなカメラを持ち歩いているとき、私はフォトグラファーではなく、常に人生の一部として単にそこに存在していました。カメラで顔を覆った邪魔者ではありませんでした。他人から敬遠されるようなデバイスではなく、私は常にその場に存在し、物事の中心にいました。

このカメラは繋がりを生み出し、自然に自分の一部として付き添ってくれます。人を撮るために使うのではなく、コミュニケーションのために使用します。ポートレートを撮るときには、被写体が撮影者をどのように見ているかが重要です。心地よく感じているか、不快に感じているか、カメラを見るのが好きかどうかも関係します。
これが写真の成功を左右します。GFX100RFに恐怖心を抱く人はいません。むしろ、好意的に受け入れてくれています。もしくは、気づいていないことがほとんどです。このカメラは顔を覆わないため、視界が妨げられることはありません。
このカメラを手に持つことが好きです。触覚や視覚をとおした感覚が重要です。毎日手にするものは好きであるべきです。GFX100RFはデザインの傑作であるだけでなく、手の中に心地よく収まります。ボタンやダイヤルは直観的な操作性を考慮して配置されていて、目で見たものを撮影するまでが一連の流れで行えます。

ビューファインダーは言葉にできないほど素晴らしいです。非常に大きく、解像度も素晴らしいです。写真を撮るとき、自分は傍観者ではなく、シーンの一部のように感じられます。オートフォーカスは俊敏で、信頼できます。焦点距離35mm(35mmフォーマットで28mm相当)のレンズはどんな状況にも適しています。ポートレートには広すぎると感じることもありましたが、富士フイルムの技術者たちは解決策を考え出し提供してくれました。三段階のデジタルテレコンバージョンを使って被写体にズームできます。デジタルズームですが、撮影中にトリミング後の画像の見え方が分かります。

102メガピクセルという非常に高い解像度により、トリミングも問題ありません。広角での撮影が便利だと個人的に感じています。特に報道写真を編集する際、あともう少し左右・上下にずらしたいと感じることがあるからです。

結論として、このカメラは画期的です。小型で軽量のため、旅行に最適なカメラだといえます。いつも持ち歩きたい中判カメラです。
