まだ見ぬフロンティア
「興味があるかって?
もちろん!かつてないほどに!!!!!」
電話を切った後、私はX-Pro2の将来有望な後継機を手に、富士フイルム・フランスのためにレポートを作成することを承諾してしまったことに気付いた。テーマも目的地も全く決めていないのに…。
私の視線は、以前に読んだ記事の上を泳いでいる。「HBOが『チェルノブイリ』シリーズの撮影地を公表。1986年当時のプリピャチやモスクワ、そしてチェルノブイリの雰囲気を再現するため、シーンの大部分が撮影された国は…リトアニアだ。」感情が高ぶったジャーナリストはこう付け加えた。「旧体制の雰囲気を感じたい人にとって、バルト三国こそが目的地だ!」
アイディアはそこにある。バルト三国が独立を取り戻した直後の数年間について1週間にわたり調査した私は、その後の12日間の予定表を確認した。その行程の目的は、ソビエト時代の象徴の痕跡を探し出すこと、そして危険な状況にあると、私が今でも考えているものを撮影することである。その場所では、住民がいまだに閉じ込められている。ソビエト時代の過去と、絶えず変化する現在の間のどこかに。
大まかな円形を成す道のりは、ビルニュスを取り囲む約20か所の目的地で構成される。それから西にある海岸沿いを進んでエストニアのタリンに至り、その後は田園地帯を通り抜ける。
X-Pro3を手にすると、自由のイメージが心によみがえるとともに、身軽に、遊牧民のように旅行したいという欲求を感じる。そこで私は、旅に持っていく荷物を8キロ(客室に持ち込める手荷物の最大重量)未満に抑えることにした。
バッグには、X-Pro3、2本のFUJINONレンズ(XF18mmF2、XF23mmF1.4)、iPad Pro、ワイヤレスSSDディスク、数本のバッテリー、充電器、センサークリーニングキット、そして数枚のスペアクロスを入れた。
X-Pro3は見るからにとても堅牢だが、これまでと同様の軽さも維持している。
その操作性は完璧だ。エルゴノミクスが十分に考えられ、自分のクセのままで撮影することができる。
このカメラは新たな印象を放っている。より洗練された、ほとんどミニマリズム的と言える何かを感じさせる。これは間違いなく、収納可能な背面液晶ディスプレイという独自のアイディアと関係している。ディスプレイが隠れているときは、使用しているフィルムシミュレーションのみが表示される。
AFの速さと反応性、EVFのなめらかさは、私の期待以上だった。速度と正確性が向上し、支援ツールの効率性も非常に高い。低照度のシチュエーションでも問題なく作動し続けるので、集中力を切らさず撮影に没頭することができる。
私は通常、2つのコンフィギュレーションを絶えず切り替えながら作業を行う。
街中での撮影では、設定をマニュアルでの過焦点撮影(絞り値はF11とF16の間、シャッタースピードは速く、ISO感度は高い)にする。密着した状態での撮影では、オートフォーカスと、絞り値がF1.4からF2.8の設定を使用する。
X-Pro3では、この切り替えを常にすばやく行える。
このレポートの間、オートフォーカスが以前よりはるかに正確で迅速に感じた。AFを作動させる(しばしばCモードになった)ことによって、より多くの画像を撮影することができた。
撮影し損なうことは一度もない!
バンカーの照明は薄暗いと予想していたので、そこでの撮影には懸念を感じていた。ところがISO感度が大きく上がることはなかった。3200でもノイズはほとんどない。たとえ6400でも、JPEGは広い用途で使うことができる。
2610万画素の新しいX-Trans CMOS 4は、そのダイナミクスを向上させている。私の画像の大部分(JPEGでさえ)は、ブロックや露出オーバーに見舞われることはなかった。
新しいフィルムシミュレーションが登場したものの、私は心変わりすることなく「PROVIA」を使い続けている。PROVIAのクセの無さのおかげで、私は自らの柔軟な作業の流れを維持することができる。私はこの流れにおいて、撮影したJPEGを、iPad ProでVSCO Camフィルターを用いて後処理する。
12日間、2400キロメートルの行程で、2500枚もの画像を残すことができた。私が「Entre deux eaux」(「2つの世界をまたぐ」)と名付けたこの作品を、皆さんにお見せできて光栄に思う。この作品は、45枚の画像で構成される最終シリーズから厳選した、25枚の画像からなる短縮版である。



















