
色を機械で測ることを「測色」というが、動画の画作りにおいて、その測色通りに色を作ることは必ずしも正解にはならないと、富士フイルムは考えている。空の色、緑の色、そしてスキントーン。心地良いと感じる色のバランスを、富士フイルムは映画用フィルム、写真用フィルム、デジタルカメラを通じて長年研究してきた。そうして培ってきた「色」のノウハウをふんだんに詰め込んだカメラがこのGFX ETERNA 55である。それは搭載されるフィルムシミュレーションについても、Log動画についても言えることだ。
F-Log2 Cという記録方式は、このカメラを目指して開発された。ダイナミックレンジも色域も広く、情報量豊富な映像を残したいと作られたのがF-Log2 Cで、試行錯誤して生まれたのがF-Gamut Cという色域だ。BT.2020より余裕のある色域で画を取り込みたいと考えた時、単にその領域を広ければよいという話ではなかった。富士フイルムのセンサーにとって、最も色のバランスが良くなる所、それこそが目指すべき色域だとして開発を進めた。


また、ポストプロダクションにおける補正の余地を残すために、画像処理を改めて見直した。後で明るくしても自然に見えるように、シャドウの情報を残す改良をし、ハイライトのロールオフにも、色の連続性がしっかりと残る画像処理を搭載している。滑らかな色のつながりはどんな被写体でも求められるところで、グラデーションにはこだわりがある。その中でもやはりスキントーンを重視し、暗いところから明るいところまで自然に見えるように色、階調が丁寧にコントロールされている。


シャープネスの観点だと、同じセンサーを持つGFX 100Ⅱは手軽さを重視した一方で、GFX ETERNA 55は素材感を重視した。GFX 100Ⅱは最初からある程度シャープネスがかかっており、GFレンズの解像力をより引き立たせる作りになっている一方で、GFX ETERNA55はオプティカルローパスフィルターも入っているため解像度を維持しつつも、シャープネスが柔らかく、自然な画が表現出来る。使用するレンズの特徴や、その場の空気感をそのまま残す設計だ。


創業から90年以上、動画・静止画のフィルムで培ってきた色の表現に対する知見、ノウハウがある。これをデジタルの世界に展開出来ることは富士フイルムの強みだろう。デジタルカメラにおいて、フィルムシュミレーションの機能は日々進化している。そして今回、動画用としてGFX ETERNA 55が使用できるLUTの数をなんと合計10種類にまで増やした。その中にはポジフィルムのPROVIAであったり、Velviaであったりと、デジタルだからこそできる表現も取り入れ、少しでも多くのクリエーターが、作品の世界観の色づくりにこだわりを持てるようになっている。フィルムの魅力を一番知っているのが富士フイルム。フィルムの画作りで何を大事にしてきたか、デジタルの世界へその声を受け継ぐのがこのGFX ETERNA 55というカメラだ。
