REALA ACE FS RECIPE x Simon Kim

REALA ACE FS RECIPE x Simon Kim

2026.06.05

私は毎日カメラを持ち歩くという信念を持っています。
特別な日のためでも、ドラマチックなシーンのためでもなく、人生の大部分を占めるその合間の静かなひとときのためにです。

Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF2.8 R WR, 1/60 sec at f/8, ISO 500
Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/300 sec at f/5.6, ISO 500

バンクーバーに住んでいると、光や色彩に触れる機会は限られていることが多いです。
色あせた空、色あせた街並み、コンクリートの路面。
そのため、以前より光や色をより一層大切にするようになりました。たとえ些細なものであっても、
それが現れた時は重要な意味をもつのです。
柔らかく拡散した光は今では私が無意識のうちに目をむけるものになっています。
それは、その光が印象的だからではなく、むしろそういった光がめったに見えないからです。

Photo 2025 © Simon Kim | FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/2000 sec at f/2, ISO 500

富士フイルムのカメラが私にそのような見方を可能にしてくれました。
ペースを落とし、意図的に構図を決め、その瞬間に没頭するという経験を通じて、私は「追い求めるべきもの」
ではなく、「すでにそこにあるもの」に目を向けるようになりました。
「CLOCKWISE ACE」は、その習慣から生まれた作品です。

Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/340 sec at f/11, ISO 500
Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/750 sec at f/16, ISO 500

このFSレシピの制作背景

私は実際の自分の撮影スタイルを支えるために「CLOCKWISE ACE」を作りました。
日常の風景に深みと意図を感じさせつつ、現実味のあるFSレシピが欲しかったのです。
すでにバランスと抑制の感覚が備わっていたためベースとして、REALA ACEを選びました。
平板さを感じさせず、かつ中立的な印象であり、距離感があるわけでもなく、落ち着いた雰囲気でした。
それを別のものに作り変えるのではなく、丁寧に磨き上げることが出来る土台として使用しました。
決して特定のスタイルを押し付けることが目的ではありません。
それは特に何一つとして誇張されていない環境において、光や色彩、質感に自然なありのままの姿を表現させるためでした。

Photo 2025 © Simon Kim | FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF2.8 R WR, 1/550 sec at f/8, ISO 500

「CLOCKWISE ACE」を形作る

REALA ACEに対する私の調整は最小限、かつ意図的なものでした。
ハイライトを抑え、シャドウを明るくして、全体的にはコントラストを和らげました。
これによって、色調の移行がより滑らかになり、画像が硬く見えたり、輪郭がくっきりしすぎたりするのを防ぐことが出来ます。
色調を少し抑えたために画面全体を圧迫することなく、程よい存在感を保っています。

Photo 2025 © Simon Kim | FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/4000 sec at f/2, ISO 500

コントラストがやや弱いため、私は通常、露出を三分の一から三分の二段ほど明るくして構図を決めています。
この露出設定はこのFSレシピに最適で、画像全体のディテールを保ちつつ、中間調や繊細な色合いを自然に引き出すことが出来ます。
「CLOCKWISE ACE」は、単に個性を加えることではありません。私が目にするものとそれがどのように表現されるのかとの間の隔たりを取り除くことこそがこの作品の真髄です。

日常から気づきを得る

私は一目で目を引くような画像を作るのが好きです。しかしそれらを際立たせるのは派手さではなく、その背景にあるものです。

Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF2.8 R WR, 1/400 sec at f/8, ISO 500
Photo 2025 © Simon Kim |
FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/2500 sec at f/1.4, ISO 500

私がつくる作品のほとんどは、日常の中の些細なことに目を向けることから生まれています。
光の変化。色の関係。普段なら気づかれることもなく、過ぎ去ってしまうような瞬間。
それらが際立っているのは日常の外側ではなく、日常の中に存在しているからです。
柔らかく拡散した光は大きな役割を果たしています。その光によって細部が静かに浮かび上がり、色と色が率直に調和し合うのです。
「CLOCKWISE ACE」は、主張しすぎず、場面を圧倒することなく、存在感を保ちつつ、常に柔軟に対応することでそれを支えています。

日常で使えるFSレシピ

「CLOCKWISE ACE」は日常使いを想定して作られました。
穏やかな日々、窓から差し込む光、行先を定めずに歩く街並み、飾りたてられたというよりただの生活感のあふれる室内。

Photo 2025 © Simon Kim | FUJIFILM X-E5 and FUJINON XF23mmF1.4 R LM WR, 1/2200 sec at f/2.8, ISO 500

それは私が写真というものを全体としてどう捉えているかを反映しています。
カメラを手に。そこにあるものに気づく。光や色が決して当然のものではないからこそその価値を深く味わう。
REALA ACEの理念に忠実でありつつ、必要な部分のみを調整することで、このFSレシピは注意力を奪うのではなく、むしろ支えるツールとなりました。シミュレーションが背景へと溶け込んでいくとき、残るのは柔らかな光に包まれた日常の景色です。

FILM SIMULATION: REALA ACE
MONOCHROMATIC COLOR: N/A
GRAIN EFFECT: STRONG, SMALL
COLOR CHROME EFFECT: STRONG
COLOR CHROME FX BLUE: WEAK
SMOOTH SKIN EFFECT: OFF
WHITE BALANCE: 5500K, R 0, B -1
DYNAMIC RANGE: DR400
D RANGE PRIORITY: OFF
TONE CURVE: H -1, S -1
COLOR: -1
SHARPNESS: -1
HIGH ISO NR: 0
CLARITY: 0