パーソナルベスト – “The Twice Refugees of Shatila(シャティーラ難民キャンプ)”
スイスの国際NGO「HEKS」からの依頼による取材
使用した機材
FUJIFILM X-T2とXF16-55mmF2.8 R LM WR
受賞したアワード
- PA International Photo Awards 2018, 2nd prize, Category Editorial/Political
- PX3 Prix de la Photographie Paris 2018 Silver Category Press/Political
- Tokyo Foto Awards Gold 2018 Editorial / Political
TVCM
この仕事について
時に、フォトジャーナリズムと広告の両方の経験を活かせる仕事の依頼がある。2017年、スイスのNGO団体「HEKS」から、写真取材と40秒のテレビCM制作のオファーが私に届いた。
依頼は、2019年に70週年を迎えるレバノンの首都ベイルート南部にあるシャティーラ難民キャンプの取材だった。この難民キャンプは、世界で最も古い難民キャンプの一つで、1948年に起きた第一次中東戦争中にパレスチナから逃れてきた3,000人の難民を救うために設立された。近年、シリア内戦が起きてから、11万人ものシリア生まれのパレスチナ人がシリア国外に2度目の難民として逃れている。シャティーラ難民キャンプでも、2014年の1万人から2.4万人に人口が増加しており、1キロ平方の狭い空間のなかで人々は生活を営んでいる。この難民キャンプの人口密度は世界でも最も密度が高く、薄暗いコンクリートジャングルの中で頻繁に犯罪が起きている。
私は、フォトジャーナリストとしてこの取材を誇りに思っており、ニューヨークで開かれたIPA International Photo Awardsと、パリのPX3 Paris Photo Prizeでそれぞれ賞を受賞することができた。
撮影は、すべて富士フイルム・Xシリーズのカメラとレンズ。仕事でXシリーズを使うのは、プロに耐えうる画質を有しながらコンパクトなので、荷物の負担にならず機動力が上がるからだ。
作品

ハナディ・カリド・リスタウィは、4人の子供と父親と一緒に20平米の部屋に暮らしている。シリアの難民キャンプから逃れなければならなかった時、一番近くにあったシェルターがベイルートの難民キャンプだった。シリアから逃れてきた多く難民と同じように、彼女たちもシャティーラから脱出したいと思っている。生活環境は酷で、健康のリスクに晒されているからだ
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