XF8-16mmF2.8 R LM WRで広がる星景写真の世界

2021.07.07

星景写真は、空に重きを置くか、風景に重きを置くかで、構図の撮り方が大幅に変わる。私の場合は風景に重きを置くようにしているが、広く撮れば撮るほど天の川のダイナミックな濃淡が表現できるため、星空も可能な限り広く構図に収めたい。この2つの狙いを表現するために必要なのが超広角レンズだった。

私がXシリーズを使い始めた当初はこの狙いを実現できるレンズが存在しなかったため、星景撮影で活用できる超広角レンズを長く待ち望んでいた。そして発売された「XF8-16mmF2.8 R LM WR」。35mm判換算で12mm~24mmという非常にワイドな焦点距離。Xシリーズの強みである発色と超広角。この2つによって私の撮影は新たな広がりを見せることとなった。

XF8-16mmF2.8 R LM WRで撮影した記念すべき最初の作品。新潟県の海岸沿いで撮影した。広角端8mm(35mm判換算:12mm)、ボディはX-T2。撮った瞬間「これだよこれ!」と声に出して叫んだのを覚えている。

沖には強い光害を放つ漁火があったが、岩と重ねることで後光が射しているかのような表現にした。手前の岩が照らされているのは、左に街灯があったためだ。光害(ひかりがい)は星景写真を撮影するものにとっては忌み嫌われる存在だが、こうした光源を操り演出することが写真の面白さだと感じている。

同じ場所で今度は風景部分を多く取り入れ、岩の陰影を強く出そうと試みた。ここまで構図を下に振っても星空が写る余力があるのは超広角レンズならではだ。広く撮ればいいというものではないが、「広く撮れるという選択肢」が撮影者にとっては大事なことだと思っている。超広角レンズを使用した時に表現できるのは、前景から無限遠まで続く「奥行き」だ。XF8-16mmF2.8 R LM WRを使って、星景写真へのアプローチが一気に変わったのを感じた。

嬬恋村のキャベツ畑とはくちょう座付近の天の川。このレベルの超広角レンズともなると、普通は同一構図に収められない高い位置にある星座や天の川も、一網打尽にできる。通常はこうした撮影の場合は前景に近寄って、下からあおるような構図をとることで前景と星空との距離を埋めるが、それを撮りたいがために私有地の中にずかずかと入っていくわけにもいかない。試しに遠くから撮影してみたら、X-T3の発色の良さも手伝って意外に面白い アプローチが出来た。

満月に近い月明かりを入れて撮影。超広角レンズの場合はどうしてもフードが短くなってしまうため、構造上ゴーストが発生しやすいのは仕方のないこと。昼間に撮影する分にはゴーストの発生が気になる場面も多いが、星空の撮影ではこうした強い点光源を構図内にいれることは稀なので、さほど気にならない。むしろ大胆に月明かりを入れたときにどう写るのかを知りたくて撮影したが、逆光耐性はなかなかのもので、ゴーストがしっかりと抑えられている。

 

星空保護区に認定されている東京都神津島村で撮影。このレンズを使用した感想は「とにかく素直に写るレンズ」。広角端が四隅に若干引っ張られるような収差はあるものの、歪曲は非常に少なく、F2.8開放からシャープ。非魚眼の超広角レンズとしてのアイデンティティを力強く感た。

歪みがないとは言っても、パースペクティブはもちろんある。レンズの扱いに慣れてくると、こうした独特な描写が心地よくなってくる。ちょっと立ち位置を変えただけでもかなり印象が変わるので、満足いくまで何枚もシャッターを切ってしまう。

星の撮影では月明かりを避けることが多いが、前景にオブジェクトがある場合は別で、月明かりがなければただのシルエットにしかならない。LEDライトなどで照らす手法もあるが、周囲への迷惑になったり、前景の発色が崩れるため好みではないため、月の満ち欠けを考慮しながら、撮影地の光害状況に合わせて撮影日を選ぶことも重要だ。

 

私が最も得意とするタイムラプス撮影では、複数の異なるメーカーのカメラを同時に複数台使用する。そのため、撮影後は様々なメーカーのボディとレンズで撮影された素材を一気に処理するのだが、XF8-16mmF2.8 R LM WRで撮影されたデータが画面に映ると、思わず手を止めて見とれてしまうことがある。「写真にとって最も大切なのはレンズである」。このレンズで撮影されたデータを開くたびにそのことを痛感する。

朝焼けに消える天の川を見送る私。

スポットライトが当たっているように見せるために足元に軽くライトを当てている。

このレンズは星空の撮影だけでなく、昼間の撮影でも高画質を叩き出してくれる。

昼夜を問わず活躍する、心強い味方だ。

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