PRO Neg.STD FS RECIPE x Gyu-yeon Lee

PRO Neg.STD FS RECIPE x Gyu-yeon Lee

2026.06.03

普段写真を撮るとき、私は日常の一瞬を包み込む空気や、光が生み出す印象、そして空間に漂う温度のようなものに自然と目が向きます。説明しなくても感じ取れるような感覚的な余韻こそが、私が写真を撮り続ける理由なのかもしれません。

周囲からは、ときどき「写真があなたに似ている」と言われることがあります。その言葉は、私の写真を最もよく表している表現のように感じられました。写真は、結局のところ撮る人の内面を映し出す鏡のようなものだと思います。そこには写っている場面だけでなく、それを見つめる写真家の姿勢や感覚も自然と滲み込んでいきます。何かを足すのではなく、むしろ削ぎ落としていくような過程の中で、私の写真は自然と自分自身の内側へと向かう方向へ変わっていきました。もしかすると私の写真は、シャッターを重ねるたびに、私の視線を静かに映しながら少しずつ深まっているのかもしれません。

PRO Neg. Stdは、そうした今回の意図にとても自然に寄り添うものでした。今回のFSレシピの制作では、被写体や風景、そして空間が持つ雰囲気を、より静かに表現したいと考えました。彩度を強く引き上げたり劇的なコントラストを作るのではなく、色をやわらかく整え、トーンを穏やかに抑えてくれるところも印象的でした。

特に強い光の下でも荒れない柔らかな密度のおかげで、被写体の本来の質感を過度に強調することなく写し取りながら、場面全体に漂う霧のような静かな流れを保つことができました。自分の視線とFSレシピの質感が自然に重なり合っていくこの過程そのものが、今回の制作の中で最も印象に残る体験でした。