Gianluca Lanciai
(イタリア)Gianluca Lanciaiは、アイデンティティと人間のレジリエンスをテーマに作品を展開するイタリアのドキュメンタリー映像芸術家。2020年には、カメラ・トリノと国際写真センターの共同プログラムである「Visual Storytelling Masterclass」に参加。その後、ニューヨークで開催される「Documentary Practice and Visual Journalism」の1年間のプログラムに参加するため、ディレクターズ・フェローシップを授与された。このプログラムでは、イースト・ニューヨークの社会的に疎外されたコミュニティに関するストーリーに焦点を当て、その成果はブルームバーグに掲載された。最近では、視覚的なストーリーテリングの技法を教えることで、疎外されたコミュニティのエンパワーメントに取り組んでいる。
ConnectTimeland
D.H.Lawrenceの言葉を引用すれば、「サルデーニャは魂の場所であり、時間が止まる場所である」。Timelandは、サルデーニャ島の住民に焦点を当てた写真プロジェクトで、長寿をテーマにしている。サルデーニャ島は、世界で5つあるブルーゾーンの1つであり、100歳を超える人の割合が高いことで知られている。「なぜこんなにも長く生きてきたのか?」という私のほぼ百歳になる祖母の問いに触発され、このプロジェクトは、寿命と島との深い関係を調査するために、個人的な好奇心とサルデーニャへの頻繁な旅行を組み合わせた。この視覚的な物語は、長寿の人々と彼らの並外れた活力を形作った環境との間にある有形および無形のつながりを明らかにし、地理、文化、ライフスタイルの相互作用を強調する。

BTS Footage

選考員からのコメント

富士フイルム
Gianluca Lanciaiのプロジェクトは、イタリア・サルデーニャ島の住民の生活とその環境を、長寿をテーマに作っている。彼の細心かつ敬意を持った視覚的な伝え方は、この世界の限りある資源の重要性を証明するものとなるだろう。
Gallery

スプラモンテ、オルゴソロ。 サルデーニャでは「70歳を迎えた老人は「社会に役立たない」とされ断崖から突き落とされていたが、父の知恵深さに心を打たれたひとりの息子が、家へ連れ帰ることを決意しその命を救った、」という言い伝えがある。 ©Gianluca Lanciai

フォルドンジャヌスの温泉で若者が湯浴みをしている。この温泉はかつて羊飼いたちが病気や過酷な労働の疲れを癒すために利用していたものである。多くの人々に奇跡の水とされ、現在でも地元の一部の人々がほぼ毎日のように利用している。 ©Gianluca Lanciai

アントニオは現在は引退しているが、かつてはオルゴソロで長年羊飼いとして働いていた。彼を取り囲むのは、険しい岩々である。 ©Gianluca Lanciai

ドムス・デ・ヤナス、オリエナ。 約5000年前に岩に刻まれたドムス・デ・ヤナスは、先ヌラーギ文明の古代墓地である。「妖精の家」とも呼ばれ、死後の世界を信じていた先史時代の人々の信仰を反映している。生者の家を模して彫られたこれらの墓は、その独特の文化を物語っている。 ©Gianluca Lanciai

ドルガリにおける聖アントニオ・アボットの火祭り。 この祭りは単なる宗教行事にとどまらず、古くからの知恵を守り、地域の絆を強める儀式である。大地の再生を象徴し、浄化と再生を分かち合う儀礼だ。百歳を超える住民が多いこの地では、伝統と共同体の結束こそが長寿の重要な要素となっている。 ©Gianluca Lanciai

サルデーニャ島には数百年、さらには千年以上の歴史を持つ樹木が数多く存在し、中には多くの人が訪れる有名なものもある。しかし、トナーラの町近くの森の奥深くにひっそりと佇むこの樫の木は、樹齢400年以上でありながらほとんど知られていない。 ©Gianluca Lanciai

マルタとアレッシアは、祖母の手作りによる伝統的なデスロの衣装を身にまとっている。サルデーニャでも特に独特とされるこの衣装は、極めて細やかな刺繍が特徴であり、数年前まで地元の一部の女性たちが日常的に着用していた、数少ない伝統衣装のひとつである。現在は学業のためカリアリに移り住んでいるが、二人はプリオレス(伝統の役割)としてデスロの伝統を積極的に守り、受け継いでいる。 ©Gianluca Lanciai

ジウゼッパ(102歳)の手。 ©Gianluca Lanciai

フランチェスカ(101歳)、オルゴソロ出身。健康上の大きな問題もなく驚くほど元気に年を重ねている。一方で、彼女と同居する10歳近く年下の妹は認知症の兆候を見せ始めている。 ©Gianluca Lanciai